仏事の豆知識⇒彼岸法要

■お彼岸のいわれ

お彼岸は正式には彼岸会と言います。これはインドの言葉の一つサンスクリット語のパーラミター(波羅蜜多)を訳したもので、「向こう岸に渡る」と言う意味です。向こう岸は仏の世界であり、真実の世界を表しています。こちら側の岸(此の岸)は、現在私達が生きている世界で、此の岸と向こう側の岸(彼の岸)との間には河が流れています。河にはとうとうと水が流れており、水は煩悩(迷い)という大きな力で渡ろうとする人々を押し流してしまいます。
私達が明るく(仏)、正しく(法)、和やかな(僧)真実の世界(彼岸)を望んでいながら、この迷いの世界(此の岸)から一歩も抜け出すことができずにいるのが現実です。


では、彼岸に渡るにはどうしたらよいでしょうか。仏教は六つの行い(波羅蜜多行)を教えています。自分にしてほしいことを進んで人にする「布施(ふせ)」、悪いことをしないで良いことをする「持戒(じかい)」、不平不満を言わずに我慢する「忍辱(にんにく)」、努力して励む「精進(しょうじん)」、心の静けさを失わない「禅定(ぜんじょう)」、ありのままの真実の姿を見つめる「智慧(ちえ)」という行いです。


■お彼岸の期間

お彼岸は、お中日をはさんで前後三日間、合せて1週間の行事です。前後三日間のそれぞれの日に六つの行いをあてはめます。お中日は、それぞれの宗派の説く修行と実践の日となります。
浄土宗でしたら、お中日は太陽が真東から昇って真西に沈む春分・秋分の日ですから、太陽の沈む真西に極楽があります。太陽の沈む方向に向かって、極楽に生まれた先祖を偲び、今日ある自分を育ててくれた先祖に感謝するとともに、死ねば浄土である極楽に往生したいと決意を新たにする日です。
禅宗でしたら坐禅をし、日蓮宗では題目を唱え、お彼岸はこのように信仰の実践週間になります。


■お彼岸のご供養

お彼岸にはできるだけ家族そろってお墓参りをしましょう。墓石をきれいに洗い、お墓の周囲も掃除して花や線香をたむけ、お菓子などもお供えします。そして、合掌礼拝の前に水桶からたっぷりと水をすくい、墓石の上からかけます。水をかけるのも布施の一つです。


お寺では「彼岸会」の法要が営まれます。読経や法話などが行われますので、お墓参りの折にはお寺の彼岸会にも参加してご供養をお願いしましょう。忙しくて時間がない場合でも、本堂のご本尊へのお参りとご住職への挨拶は行いましょう。